宇宙の断片
fragment of the universe
短編官能小説「宇宙の断片 -未知なる領域への旅-」
指先がなぞるたび、彼女の肌が震える。
いつもと同じはずなのに、何かが違う。
「…ねぇ、今夜は少しだけ、違う世界に行ってみない?」
彼の囁きに、彼女は小さく息をのむ。
探るような指の動き。
ゆっくりと、未知の場所へと導かれる。
馴染みのあるはずの感触が、まるで見知らぬ星のように新鮮で、戸惑いと興奮が交錯する。
「…大丈夫?」
問いかける声は優しく、けれど熱を帯びていた。
彼女は微かに頷くと、ゆっくりと身を委ねた。
触れるたびに、意識の奥で弾ける光。
ゆっくりと回転しながら、遠ざかる重力。
「…宇宙みたい…」
彼女がそう呟くと、彼はくすりと笑う。
「だったら、一緒にもっと遠くまで行こうか」
揺らぎながら、ふたりは新しい星の欠片を拾い集めるように、 少しずつ、未知なる快楽の深みへと身を沈めていった——。
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